▼詩人・村尾イミ子氏と「恵子美術館」の出会いを一言で説明することは難しい。それは偶然と必然の別々の糸がより合わさった結果の出会いだからだ。
僕のかつての同人仲間であったエッセイスト黒田知恵子氏と村尾イミ子氏が同窓の友人で、村尾イミ子氏の愛した夫が、医師として宮古島のハンセン病療養所に赴任していたことは偶然だけれど、恵子美術館が総力をあげてハンセン病問題に取り組んだことで、偶然の短い糸が繋がって必然の太い糸となって出会いは起きたのだと思う。
この詩集は、ありふれた夫への追悼や、宮古島賛歌の詩集ではない。宮古島のハンセン病療養所の入所者と詩人との魂の交流から生まれた作品群が、独自の詩文学としての陰影を醸し出している。
僕が村尾イミ子氏のことを誰かに語るとき、知人の友人としてでなく、ハンセン病療養所の医師の妻としてでなく、尊敬する詩人の一人として語り続けるだろうと思う。良い詩集に出会ったことに感謝したいと思う。
山田
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発行所・文芸社
定価・1200円+税 |