地域と結び付いた美術活動
(「琉球新報」文化部副部長・池間 聡)
「琉球新報」一面コラム「金口木舌」2002年1月8日(火) 朝刊
小さな活動ながらも果たしている社会的役割を見ると応援したくなることがある。その一つは平良市の恵子美術館。一九九八年元日の開館だから五年目に入った▼画家の垣花恵子さんが主宰し、自身の作品や寄贈された作品を展示している。絵を見ているのは小学生を中心に子どもたちが多い。当初は少なかったらしいが、今では年間延べ千人の小中高校生が来館する▼おしゃべりは大目に見る。肩ひじはらずに鑑賞できることもあり、来館者は思いのままに絵を見て、感じたままを感想文に残す。宮古島で唯一のこの美術館は情操教育の場であり交流の場でもある▼来館した人がインターネットで紹介することもあり、観光客の来館は年間三千数百人に上る。県内では「観光途上地」の宮古島にあって、観光客を呼び込む効果も生み出している▼もう一つは、暴力団抗争のあおりで人通りがひいた那覇市前島のビルを活用して昨春オープンした前島アートセンター。通り会を巻き込んだ展示会、地域の親子とのスケッチ大会など多くの企画を実施。地域と結び付いた美術活動を繰り広げ、人の流れを呼び戻しつつある▼二つの施設の活動は、地域に支持されているから成り立つのであり、地域に愛されることがいかに大事かを教えている。

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